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『殺人者のパラドックス』チェ・ウシク唯一無二のサイコビジュアル

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「屋根部屋のプリンス」の頃から、中性的な独特の雰囲気を放って気になっていたチェ・ウシク。

セクシャル面だけでなく、「ホグの愛」のような一見純朴そうな青年の瞳の端っこに感じる闇。

いい意味でも悪い意味でも、何を考えているかわからない、善悪両面のサイコビジュアルを持つ不思議な俳優さんだと思ってきたので、今のチェ・ウシクの活躍は、なんら不思議でも驚くことでもない。

パク・ソジュンつながりで特別主演した「サム、マイウェイ」で見せたいじわる役の抜擢も、正直嬉しかったし、「魔女」でのサイコぶりの高い評価も、ごもっともだと思っていた。

「魔女」のキム・ダミと再共演した「その年、私たちは」のウンやホグも、ある意味何を考えているか図りかねるサイコ。

で、今回のサリンジャー役もしかり。

ダークヒーローっぽさは「ヴィジランテ」のジヨンっぽいんとこもあって、ナム・ジュヒョクもすごく良かったけれど、チェ・ウシクにしかないタンにぴったりのサイコビジュアルは、唯一無二なのだと改めて感じる。

チェ・ウシクが殺人容疑者で、それを追う刑事がソン・ソックというキャスティングは心外だったけど、ソン・ソックの殺人鬼はまんまだから、これがベストなんだよなあ。

ガム噛んで足組んで座るだけでも高圧的な刑事も、惚れ惚れするほどの巧さ。

若かりし頃の浅野忠信感も相変わらず。

そして、もう一人の強面イ・ヒジュンの凄み。

最終的には、単にナンガムとソンの長年の確執にタンが巻き込まれただけみたいな、強面コンビが持って行ってアレレな感じもあるんだけど。

タンの煙草とナンガムのガム、被害者と加害者など、いろんなパラドックスが散りばめられていて、意外に奥深かったりもする。

今回は特にオマケキャラのようだったけれど、お茶目さが光っていたヒョン・ボンシク。

キム・ヒョジンにも見えたヨオクが、チョン・イソだったのも驚き。

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