2023年末から2024年始にかけて、ハマらずにはいられなかったNetflix配信の3作品。
SBS「マイデーモン」、JTBC「サムダルリへようこそ」、ENA「砂の上にも花は咲く」。
この3作品の素晴らしさは、何と言っても主演たちのティキタカの相性。
マイデーモン
「ナビレラ」「わかっていても」など大人っぽい役が多いソン・ガンと、イマイチ脱子役できておらず、成人しても物足りなさを感ていたキム・ユジョン。
正直微妙かなとも思ったのですが、「ユーレイズミ―アップ」キム・ジャンハン演出とのことで、キム・ユジョン脱子役にひと役買ってくれるのではという期待が見事に的中。
気付くと台詞だけでまくし立て合うシーンが多く、初回から相性のよさ、上手さを唸らずにはいられなかった。
長い黒髪が似合う美しいご令嬢ぶりが新鮮で、「カノ嘘」「恋するアプリ」以来の不貞腐れぶりのデーモンが懐かしくて、よくある転生、偽装結婚なんだけれど、他とは一線を画する感じで。
テンポのよいコミカル、ロマンス、シリアスのバランス、イチャつきぶりも嫌味でない見事な演出。
韓服シーンではキム・ユジョン、キスシーンはソン・ガンと、お互いに得意分野でリードしている感じもよかった。
デーモンカップルにふさわしく、モノトーンがよく似合うふたりが、キャスティングされた理由がわかった気がした。
サムダルリへようこそ
機熟した中堅実力派のふたりチ・チャンウクとシン・ヘソンを、「椿の花咲く頃」チャ・ヨンフンが演出するということ期待しかなかった作品。
サスペンス要素などはなく、ただただ素朴な済州の人情劇なのに、サイドストーリーも充実し過ぎて、毎話あっという間。
ゴレンジャー同士のティキタカはもちろん、本当に気心の知れたカップルといったヨンピルとサムダルの全身から醸し出されるオーラ。
言い合っていても、黙っていても、独特のふたりの空間がつくり出されるのは、若手にはない技量。
気難しいキャラたちもどこか温かくおさまりがよいのは、チャ・ヨンフンの世界だからなんでしょうね。
砂の上にも花は咲く
「ソロモンの偽証」以来、しっくりくる役がなかったチャン・ドンユン。
ひと足先にはじまったアマプラのラブコメ「私の彼はキューピッド」もイマイチで、正直あまり期待していなかったけれど、上手すぎるイ・ジュミョンとのティキタカがドンピシャ。
とらえどころのない30代とは思えない、独特のベクトゥがこれほどまでにハマるとは…これまでの優等生役はなんだったのというくらい。
テンポのよい腐れ縁の方言ティキタカは「応答せよ1997」のような懐かさもあり。
最初から最後まで、ベクトゥとドゥシクの微笑ましいティキタカなしではありえない作品で、間合いの上手さにも二人の相性を感じずにははいられない。
新たに始まった「ドクタースランプ」は、個々の演技は素晴らしい名優ぞろいなのに、なぜか全体ではまとまりがない不思議。
「家族なのにどうして」ダルボン再来のような久々にお茶目なヒョンシクとパク・シネのティキタカは、テンポもよいのに何故かイマイチ。
ティキタカが素晴らしい3作品を楽しめた2023‐2024年末年始のネトフリはまさに奇跡。
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