
安定した演技で実力発揮中のキム・ミンジェとパク・ウンビンの共演
「密会」のようなクラシックテイストを期待して
キャスト、脚本、演出、OSTとすべてバランスよしのウェルメイド
キスシーン
8話
リハーサル室でジュニョンからの告白キス。
低音ボイスのキム・ミンジェに「좋아해요」「좋아한다고요」「좋아해」とすべての言い回しで愛を告白させる演出には感服。
9話
夜のデート中のソフトクリームキス。
相手の好みにを優先するジュニョンの人柄がよく溢れるシーン。
微笑ましいふたりの甘いシーンでよく流れていたのは、OST初参加のチョ・ユリの楽曲。。
最終話
独奏会を終えた控室でのソンアの思いに応えるジュニョンからのキス。
ファーストキス同様、「사랑해요」「사랑해」と連呼させるのは、もはやジュニョンスタイル。
キスの合間も「사랑해」と囁く心憎い演出。
指輪をあえてソンアの右手にはめるジュニョンの深い愛情を感じるプロポーズキス。
6話のソンアの告白シーンでも流れていた「明日は告白するよ」。
11話
ヒョノの回想キス。
ジョンギョンから解放されたジュニョンとは裏腹に、うまく距離感を保てないヒョノがせつな過ぎました。
ジョンギョンの手の温かさで気持ちを察したり、ヒョノの優しさが溢れる逸話も素敵でした。
キャスト
とにかく豪華顔ぶれで、名匠アン・パンソクの香り高き、ソ・ジョンヨン、キル・ヘヨン、キム・ジョンテ、キム・ジョンヨンに加え、イェ・スジョン、チュ・ソクテ、ペク・ジウォンらベテラン陣、そしてメインの若手たちのマッチングも素晴らしく、ただいるだけでもオーラあふれるキャストに、予想通り視聴し始めたら抜け出せない沼。
- キム・ミンジェ(ジュニョン)
落ち着きある天才ピアニストを違和感なく演じ、大人の男へとまた一歩近づいた感じ。感情を押し殺しながら生きる姿は実にせつなかった。ベテランヌナ相手でも全く引けをとらない安定感。 - パク・ウンビン(ソンア)
最近はぶっ飛び役が多く、ずっと清楚な役を見たかったのですが、胸を震わせるソンアは想像以上に美しかった。キム・ミンジェとの繊細なケミなしでは語れない、これまでのキャリアの集大成のようでもありました。 - パク・ジヒョン(ジョンギョン)
美しい輝きが、幸せが逃げるようにどんどん失われていく姿が痛々しかった。失うものがあまりにも多過ぎた、恵まれた環境ゆえの悲劇のミューズでした。クララにもどこか似ていますよね。 - キム・ソンチョル(ヒョノ)
ちょい悪の印象が強いのでやらかすのかと思いましたが、最後までジョンギョンを愛するヒョノ。理事長葬儀でジョンギョンの手を取るシーンが印象深い。 - イ・ユジン(ドンユン)
デビュー時は若き日のソン・ジュンギのような刺々しさが気になりましたが、等身大に近いというドンユンは、温かくてこれまでで一番好きかも。 - ぺ・ダビン(ミンソン)
特に序盤で唯一違和感を感じたキャスト。「恋するアプリ」などの話題作にも出演していますが、どの作品も浮いたようにしっくりこないのは私だけでしょうか。 - パク・サンフン&シン・スヨンジュニョンとジョンギョンの少年少女時代を演じたふたり。成人後の再共演を見てみたいですが、パク・サンフンは本当に売れっ子ですね。
- ユン・チャニョン&パク・シウン監督つながりでカメオ出演したであろうケミ抜群の2人。共演シーンはなかったけれど、相変わらず目を惹くオーラ。パク・シウンのシンプルさが好きだったので、アイドルデビューはちょっとショックですが、女優業は続けて欲しいな。
やはり「2020年 SBS演技大賞」でベストカップル賞にも輝いた主演カップル。
傷を抱え震えるふたりの繊細な演技に、何度私の心も震えたことか。
音楽にも精通しているキム・ミンジェ、ヴァイオリンを習ったこともあるパク・ウンビンと、演技力以外の条件も揃い過ぎているふたり。
時間がないながらも猛特訓で劇中でも生演奏を披露しているからすごい。
演出も脚本も素晴らしい作品ですが、引き込まれるようなふたりの演技なしでは語れません。
演出・脚本
ソウル大音楽学部でヴァイオリンを専攻していたというリュ・ボリのリアルな脚本。
通常のキャンパスライフとは異なる、音大生特有の世界が新鮮で引き込まれました。
ふたつのトライアングルがぶつかり合うことで、また新たに生まれるもうひとつの危ういトライアングル。
ブラームスの逸話のごとく、複雑に絡まる糸が引き起こす羨望や嫉妬による決別、そして失ってはじめてわかる恋人や友人など、自分にとって本当に大切な人。
恋と友情の狭間で将来不安を抱えながら、才能や経済格差に関係なく、精一杯生きる音大生たちのリアルが、多くの共感につながりました。
ユ・ボラのような胸に深く刻まれる台詞や、楽器経験者であるキャストたちの生演奏、キス音や靴音など、音楽以外にも聴覚刺激で伝わる心理描写。
静かな展開でも引き込まれるのは、丁寧なセリフ回しと絶妙な間合い、言葉なしでも胸を熱くする数々の名場面ゆえ。
20代最後の失望から再生していく成長の記録を、繊細かつ美しい映像、OSTでまとめ上げた、久々に胸が熱くなる秀作でした。
OST
3話:友達ハグ
「月光」から「ハッピーバースデー」へ。
音楽で語るジュニョンと似過ぎているソンア。
リハ室ではいつも何か起こりそうな予感がしていました。
11話:大田デート
ソンアのおつかいに同行し、故郷大田で無邪気にはしゃぐ少年のようなジュニョンが印象的な11話。
帰りのバスでうたた寝する仲睦まじいシーンで流れていた、一途なジュニョンの気持ちを歌ったような楽曲。
スペシャルOST
「OSTの妖精」パンチとヘイズの夢のコラボ。
おまけ
全3曲もOST参加している仲良しのパンチとキム・ミンジェのコラボ。
透き通るような歌声のパンチとラッパー「Real.be」としても活躍するキム・ミンジェの低音ボイスがたまらない。