かつては若手の登竜門だった龍袍（ヨンポ）

毎年数多く制作される韓国ドラマですが、中でも時代劇の主役は狭き門。

台詞回しも所作も現代劇とは全く異なる龍袍（용포：ヨンポ）を纏う時代劇への抜擢は、若手の栄光を期待する登竜門でした。

「奇皇后」「花郎」「王は愛する」は、朝鮮王朝ではないですが、王子役としてチョイス。

「花郎」はパク・ヒョンシク＆パク・ソジュンのW主演、Vの出演でも話題となりました。

いまやお馴染みの主演俳優たちですが、若手の20代の頃に初時代劇で龍袍に袖を通し、宮廷ロマンスで胸をときめかせていました。

初々しい韓服姿から、回を重ねるごとに成長を遂げ、貫禄が増していく姿も必見。

ちなみに「根の深い木」では若き日の朝鮮王ソン・ジュンギの龍袍姿を見ることができます。

20代若手＝龍袍でなくなった

2019年頃を境に、歴史歪曲論争を避けるためか、時代劇初主演＝世子、朝鮮王役というのが減り、暗行御史や史官、監察など官職が主人公の時代劇が急増。

制作が少なかったコロナ禍はじまりの2020年の翌年は、驚くほど多かったのも印象的。

「コッパダン」ではソ・ジフン、「風と雲と雨」ではパク・サンフン、「シュルプ」ではぺ・イニョク、ムン・サンミンの龍袍姿を見られます。

龍袍主演は30代へ

コロナを境に龍袍主演は、除隊後初時代劇などの30代中堅層に移行し、落ち着きのある仕上がりに。

使い回しのような衣装にも「哲仁王后」「恋慕」「禁婚令」では、工夫が見られるように。

内官が男装することはあっても、女性が王になる「恋慕」はかなり稀。

20代の若手とはまた一味違った宮廷ロマンスもうかがえます。

まとめ

莫大な制作費、PPL（間接広告）の難しさもあり、多く作成できない時代劇主演の貴重さは今も変わりありません。

そして、歴史歪曲論争。

ゆえにフュージョン時代劇がより増えたように思いますが、フィクションなのに面白いのも韓国時代劇の醍醐味。

韓流生活の入り口も「太陽を抱く月」だったので、今後も時代劇にもいろんな意味で期待せずにはいられません。