
「10人の泥棒たち」キム・ヘス×キム・ヘスクの再共演
オク・ジャヨン、キム・ガウンと裏切らない女優たちが揃った王宮に期待が高まりましたが
誰とでもケミ抜群、分け隔てなく大きな傘のような愛で包みこむ国母キム・ヘスに圧倒
若手とベテランのバランスが絶妙で、これまでのドロドロ内命婦、世子争いとは一線を画す素晴らしい脚本と演出
キスシーン
最終話
流れ星を見ながらのキス。
天真爛漫なチョンハと寡黙なソンナム大君、ふたりのキューピッドもまた策士王妃。
キャスト
- キム・ヘス(王妃)
はじめは大袈裟過ぎ違和感があったキム・ヘススタイルの王妃ですが、いつも間にか絶対的存在の国母として君臨しているからスゴい。誰とでもケミ抜群。 - キム・ヘスク(大妃)
1/fゆらぎの声は相変わらず、悪役ぶりも凄みあり過ぎ。裏切らない絶対感、若手と合わせるのもうまい元祖国民の母。 - オク・ジャヨン(ファン木貴人)
キム・ウィソンとのツーショットは、ハマリ過ぎて怖し。善でも悪でもいつも聡明オーラは隠し切れず。 - キム・ガウン(テ昭容)
得意の猫なで声で魅せていると思いきや、5トーンも上げて頑張ったよう。母親役は新鮮でしたが、ほんとカメレオン女優。 - ぺ・イニョク(世子)
キム・ヘスの息子でも違和感なく、ヨンポ着るほどに大成長で感無量。 - チャニ(ウィソン君)
最近はお茶らけ、悪役に挑戦中のチャニですが、やっぱ正統派しかしっくりこないのか。ダウォンらSF9後発メンバーに押されてしまうのではと心配になるほどイマイチ。 - ムン・サンミン(ソンナム大君)
キャラと合っていたし、ぺ・イニョクと同時期にヨンポ着れてしまうなんて、ほんとラッキーボーイ。WEBドラでは気づかなかったけれど、かなりの長身で松山ケンイチ似。 - ユ・ソンホ(ケソン大君)
「少女の世界2」とはまた違った可愛さ。女装もよく似合いましたが、減量も頑張ったよう。王妃とのシュルプで歩く後姿は名シーン。 - ムン・ソンヒョン(シソム君)
「ヴィンチェンツォ」から「還魂」「愛と、利と」まで少年時代役で売れっ子過ぎ。 - キム・ミンギ(ポゴム君)
見たことあるなと思ってたら「女神降臨」ジェギョンの弟くんでした。 - オ・イェジュ(チョンハ)
目を惹く可憐さ、少し空回り気味もムン・サンミンとは合うから不思議。コ・ウォニのようなカメレオンっぽさがあり、もっと深みがでたらすごい女優さんになりそう。 - ハン・ドンヒ(世子嬪)
「百人力執事」もそうでしたが、凛とした品があるオーラ。今のところ悲しい役が多いですね。 - チョン・ヘウォン(チョウォル)
「還魂」に続く妓生役ですが、目につくのはどこか華があるのでしょうね。乳母尚宮にしてしまうとはさすが策士王妃。 - チェ・ウォニョン(朝鮮王)
注目の若手作品で見ない日がないくらい売れっ子。「SKYキャッスル」でもチャニは大切な息子でしたね。善も悪もいつも完璧。 - ピ(通行人)
なぜ、ピ?と思ったけれど、オ・イェジュが事務所初の女優さんなんですね。
ほかにもパク・スンテ、チョン・ギョスなど、カメオもなかなか楽し。
ベテランと若手のキャスティングが絶妙。
それほど認知度が高い若手ばかりでもないのにも関わらず、これほどまでに違和感なくまとまっているのは、ソ・イスク、キム・ウィソン、チャン・ヒョソン、クォン・ヘヒョ、キム・スンスら、ベテラン勢の導きもあってのことなのでしょうね。
ペ・イニョクをはじめ、ムン・サンミン、ユ・ソンホ、王の少年時代「うまくやりたい」チェ・ユンジェなど、とにかくWEBドラマ男子祭りで楽し。
これまでも地味キャラのムン・サンミンが、地味ながら輝く飛躍ぶりには驚きと不思議。
キム・ヘスとも自然におさまる息子たち、大先輩たちとの日々は緊張もあっただろうが、幸せだったに違いない。
イメージ通りのスタンダードキャスティングが多い中、国民の母キム・ヘスクが悪大妃に、悪巫女役なんかが多いキム・ソンファがチョンハのよき母なのは新鮮でした。
やはり、みごとな国母像を確立していったキム・ヘス。
タフなイメージにぴったり、「哲仁王后」とはまた異なる、これまでにないリアルな王妃の苦悩を見事に表現。
若手主演の宮廷衣装はオシャレなものも増えてきましたが、スタンダードな衣装もこれほどまでかっこよく着こなし、時に駆け巡る姿は、勇敢で美しい。
絶対正義の策士ぶりには惚れ惚れしまくりで、王妃という「シュルプ」に守られて生きられる大君ら息子たちが、ただただ羨ましかった。
息子たちと1対1のシーンの、オーラ調整も素晴らしかった。
演出・脚本
演出は「アバウトタイム」の美しさが印象的だったキム・ヒョンシク。
まだキム・ヘスが王妃スタイルを確立しない序盤は、どこかチグハグしていて違和感を感じた演出でしたが、そういえば「秘密の扉」も不思議なトーンの演出だったなと。
5人の息子合わせて同等くらい大きなオーラのキム・ヘスにもかかわらず、1対1のシーンも自然におさめてくるのが不思議。
若手ひとりひとりは、それほどオーラがあるわけでもないに、しっかり印象づけられている。
スタンダードなセットや衣装なのに、これほど力強い作品として残るのは、キャストを輝かせる演出力のおかげもあるのでしょうね。
初心者にも王位継承のしくみをわかりやすく綴り、一難去ってまた一難、絶対正義でテンポよく解決していく脚本の秀逸さ。
大妃の失脚でさえ驚きの美しいまとめあげ。
「カーテンコール」は明らかに題名負けしている感がありましたが、「シュルプ」はまさに「シュルプ」。
いつでも、どこでも冷静かつ聡明な王妃を見事に描き、次の作品も気になるほどの新人作家。
OST
王妃として、国母として、大君の母として、常に選択を迫られ続けるファリョン王妃。
多くの子を抱える母の強さが伝わる一曲。