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『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』出演者インタビューと撮影秘話

アン・パンソク×ソン・イェジン×チョン・ヘインという最高の組み合わせで生まれた「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」。
アン・パンソク監督作品を視聴中・視聴後は、他の作品が味気なく感じてしまうほど中毒症状が出ますが、今回もなかなか症状がおさまらないので、監督や出演者のインタビューなどを参考に、私なりの解釈でドラマの魅力をまとめてみようと思います。

アン・パンソク(演出監督)

キャスティング・カメラワーク・音楽・小道具など、すべてにおいて演出が素晴らしく、大尊敬している監督さんです。
「密会」でこんなかっこよく撮れる監督さんがいることに感動し、ただ楽しくて見ていた「風の便りに聞きましたけど!?」がまたまたアン・パンソク作品であることを知り、同じ脚本家とこんなにも違うテイストの作品をつくれるものかと驚きました。

恋愛のタブーや社会風刺を入れた社会現象を巻き起こすような独特のストーリー展開も特徴的で、今作ではセクハラ問題が社会の闇として取り上げられていました。
「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」は、アン・パンソクがフツーの男女を描くことでも話題になりましたが、実際のところは韓国特有の「家族同然のような存在との恋愛のタブー」が、物語の大きな鍵となっていました。

映画のワンシーンのような独特の映像美も魅力。
常に即興性とリアルを追求し、俳優泣かせの長回しで、リハーサルなしぶっつけ本番撮りもしてしまう無茶ぶりですが、仕上がりは音楽の力も相まって常に高品質。
アン・パンソクといえば劇中歌も期待してしまうほどの音楽の匠でもあります。

「恋愛と音楽は切り離すことが出来ない関係で、もしかしたら音楽の方が上かもしれない」
「音楽はストーリーと同様に重要、音楽が演技している」

制作発表会で語るように、今作も台詞なしで出演者の心情をあらわしたり、音楽で次の展開を予感させる演出が多く見られます。
「密会」など長きに渡りタッグを組んできたイ・ナミョン音楽監督によるレイチェル・ヤマガタが歌う楽曲やオールドミュージックが劇中を盛り立て、音楽なしではドラマを語れないほどに強い存在感を放っています。

そして、監督が末っ子スタッフの名前も記憶するほど、固い絆で結ばれたアンチームスタッフたち。
キャストもアン・パンソク作品お馴染みの俳優さんも多く、前作とは全く正反対の役どころだったり、カメオ出演しているのを見つけるのも楽しみの一つです。

また「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」というタイトルは、ネット上で目にしたソン・へギョン熱愛説の記事がきっかけとのこと。

「ユ・アインやソン・ジュンギと仲がいいけれど、彼らにしたら私は、よくおごってくれるいいお姉さんみたいなもの」

結婚するまでに至った「太陽の末裔」ソンソンカップルが、アン・パンソク監督のインスピレーションに一役買っていたなんて驚きですね。

今作は、ドラマ部門「2018年 今年のブランド大賞」を受賞しています。

ソン・イェジン(ユン・ジナ役)

いずれ一度はオファーを受けることになったのではと思えるほど、アン・パンソクの世界観にとってもぴったりの女優さん。
ジュニがジナに「예쁘다(キレイだ)」と口にする度に共感し、ジナ役を引き受けてくれたことに感謝しながら毎回見とれていました。

チェン・ヘインは、先輩女優であるソン・イェジンを「敏感で細かくて、どこか恐そうだ」と思っていたそうですが…
「とても美しく、笑顔がまた綺麗で、人を気分良くしてくれるエネルギーがある」
「実際はサバサバしていてよく笑い、スタッフともスタッフ達と気楽に接する姿に、主人公が持つべき現場での態度についてもとても勉強になりました」と語っています。

また、アン・パンソク監督は、車から降りて撮影現場に歩いて来る女優ソン・イェジンの姿を、小さなシーンでも軽く見ず、1つも逃さないという理由から
「まるでプロボクサーのモハメド・アリのようだった」と表現し、
「20年近く演技をしてきた女優の品位と威厳が感じられた」とも。

ソン・イェジンは、「ハードなドラマ撮影は作品選びに勇気がいるけれど、アン・パンソク監督だから引き受けた」とも語っています。

「視聴者の反応見て書き換えるような台本ではなかったので、16話までしっかり目を通し全体を把握して撮影に臨むことができた」
「スケジュールに余裕があり、監督の口説き文句通り、睡眠時間もしっかり取れた」

終盤は俳優女優さんの顔のむくみが目立つ、もったいない作品も多いですが、睡眠不足で過酷な精神状態に追い詰められていないせいか、ソン・イェジンをはじめ、他の出演者も最後までキレイに撮れていたのは印象的でした。

台詞に演技させられるのを嫌う監督は「台詞も覚えなくてもよい」とも言っていたそうですが、それだけは嘘だったと語っています。
1シーンを1カットで撮る撮影スタイル、失敗したら最初からやり直さなければならないことにプレッシャーも感じていたそうですが、後半はリハーサルなしで撮影できるほどに慣れたとのこと。

清楚な役どころばかりではなく、「個人の趣向」では干物女をおちゃめに演じていたソン・イェジン。
タイトル通りの綺麗さと可愛さを持ち合わせ、大女優の気品を漂わせながらも気さくな人柄は、これまでも画面を通しても伝わってきていました。
ケラケラ笑う笑い声から、眉間にシワを寄せた困った顔までも、魅力あふれる女優さん。

今作で、ソウルドラマアワード2018「女性演技者賞」を受賞しています。

チョン・ヘイン(ソ・ジュニ役)

恋愛ドラマ初主演に大抜擢、しかも大女優ソン・イェジンが相手役で、アン・パンソク監督作品だなんてホントにラッキーボーイです。

「台本も素晴らしく、監督が素敵な方だったので、必ずやりたいと思った」

ソン・イェジンとチョン・ヘインの夢の共演は、アン・パンソク監督でしかなし得なかったともいえます。

「ディア・ブラッド」や「チャンス商会」でのちょい役でも思わず目を惹くルックス。
アン・パンソク作品にキャスティングされた段階で、ブレイクほぼ間違いなしとは思っていましたが、個人的には正直、期待とともに不安もかなり大きかった…。
しかし実際は、ソン・イェジンが「最高のパートナー」「こんなにまで上手くやれるとは思わなかった」と語るように、少年っぽさと大人っぽさを兼ね備えた絶妙な表情演技。
甘い演技の経験が浅いからこその初々しさも、監督がうまくまとめてくれていました。

最高のキャスト、最高のスタッフ、そして今というタイミングが相まって、チョン・ヘインという役者の魅力が爆発したように感じます。

また、ソン・イェジンは第一印象を「キャラクターとよく合っていると思った。実際は6歳差だけれど、チョン・ヘインは童顔だから私がずいぶん老けて見えるんじゃないか心配だった」とも語っていますが、並んいるだけでも絵になる素敵なカップルでした。

チョン・ヘイン自身もジュニとの共通点について「自分の感情に正直で、大人っぽく慎重なところが似ている」とし、あるインタビューでは「80%?」と語っていましたが、脚本家には「鳥肌が立つほど似ている」と言われるシンクロ度。
撮影終了後に「まるであなたを見ながら書いたみたいだ」とまで言われたそうです。

ソン・イェジンは、チョン・ヘインについて
「優しくて、あたたかくてしっかりした俳優なので、今後どんな演技をするのか気になる。 多様なカラーとフィーリングを持っていて期待する俳優でもある」

またアン・パンソク監督が「演技を本当に愛している人で、自分の外見が消費されるのを嫌がる」と語るインタビューを見て、チョン・ヘインはとても嬉しかったとも。

大ブレイクぶりがわかる第54回百想芸術大賞人気賞受賞後のスピーチでは、
「すべての瞬間、心を尽くして演技できるよう、悩んで努力する。小さく些細な幸せがくれる幸せをありがたく思える人になる。僕に与えられた感謝の道を黙々と、落ち着いて歩いていく」

人気や周りの言葉に振り回されたり、惑わされたりせずに、地に足のついた素敵な俳優さんになっていきそうな気がします。

ちなみに百想芸術大賞集合写真で、他の俳優を差し置いて中央に位置するチョン・ヘインに対し、ちょっとした論議が巻き起こりましたが、実際は関係者の指示に従っただけ。
チョン・ヘインは何も悪くないのですが、緊張し過ぎて周りが見えていなかったことを反省し、「大きすぎる賞のおかげで、とても大きなことを学んだ」とコメントしています。
こんな騒動からもチョン・ヘインの注目ぶりがうかがえますね。

善くも悪くもジュニのイメージがつきまとうことになりそうですが、今後活躍すればするほど、またジュニに会いたくなりそうな気がします。

台詞・撮影秘話・メイキングで振り返る

主演2人を含め、アン・パンソク作品おなじみ脇役たちの絶妙なキャスティング。
おちゃらけ、ハラハラドキドキ、問題発生、和解、ラブラブと飽きさせないメリハリあるストーリー展開。

脇を固めるベテラン達の存在感の大きさもあってか、2人の恋愛に特化しているのに、そうは感じさせない充実度。

台詞なしでも物語を語り尽くす音楽。

英タイトル「Something In The Rain」通り、雨の日のイメージを覆すような、甘く楽しい時間を彩る小道具や演出。

見る人によっていろんな解釈がある「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」ですが、アン・パンソクが描きたかった「本当の恋愛」の私なりの解釈。

  • 起:再会(第1~3話)
    ジナとジュニの3年ぶりの再会からはじまる
  • 承:愛の深まり(第4~6話)
    交際し始めお互いの気持ちが高まっていく 
  • 転:ジナの成長(第7~11話)
    ジュニの側にいることで強くたくましく成長するジナ 
  • 転:ジュニの成長(第12~15話)
    自分の立場に耐えきれなくなるジュニ 
  • 結:愛再び(最終話)
    3年という時を経て再びはじまる
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