中国ドラマ「長相思」の感想です
「宮廷女官 若曦(2011)」と同じ桐華原作であることでも注目されていた作品。
逆ハーレム状態の男主たちが魅力的であるものの、女主は苦手な楊紫(以下ヤンズー)。
前評判の良さに、ちょっと齧ってみるつもりが、初話からテンポも良く予想外のオモシロさ。
ヤンズーは少しずつ苦手克服中でしたが、この作品が突破口になりました。
一度だけの視聴からだいぶ時間も経ち、記憶も曖昧になってきていますが、「長相思」の醍醐味でもある男主4人のランキングと共にまとめてみました。
ネタバレ全開です。
原題と英題
視聴中も意識せざるを得なかった相反するような原題と英題。
「永遠に想い続ける」という意味で、古くから詩の題材として使われてきた「長相思」。
李白も、離れ離れになった愛する人を想う切なさを綴った「長相思」という詩を残しています。
問題は、サブタイトルともいえる英題のほう。
直訳すると「あなたを永遠に失った」
別れや後悔のニュアンスならまだしも、生死を彷徨うような状況に陥ると、男主たちの死別を意識するように。
男主を犠牲にしながら、幸せを掴んでいく物語なのか…
女主が消えてしまうのはありえないので、女主が危機に陥るたびにソワソワ。
「もしかしたら…」という期待と不安を煽る脚本に、秀逸さも感じつつ…
私にとっては、この英題がかなり視聴の刺激になっていました。
作品概要
「長相思」といえば4人の男主。
誰目線で観るかで大きく印象が変わる物語。
小夭/ 玟小六 楊紫
※男主キャスト表順
男主1:瑲玹 張晚意(以下ワンイー)
男主2:璟/葉十七 鄧為(以下ドンウェイ)
男主3:相柳/防風邶 檀健次(以下ジェンツー)
男主4:豊隆 王弘毅 (以下ホンイー)
馨悦 王禛
阿念 代露娃
第1季(2023)全39話
第2季(2024)全23話
男主1が持つべきスペックがうまく分散され、各々のキャラ昇華が素晴らしい。
この俳優さん以外では考えられないほど、唯一無二の男主たちに仕上がっている。
実は恋沙汰より、4人の関係性も気になっていたりして…
男主ランキングと「Lost You Forever」

一見ワンコなのに実は影の策士
昏睡状態の時は、まさかこのまま逝ってしまうのか…も過ぎった、塗山一族の長でもある璟。
最終的に璟を選んだのは、小夭への一途な愛もそうですが、平和主義な策士だから。
一見、女主の顔色次第のワンコなのに、瑲玹を西炎王にするほどの影の策士。
出しゃばらない璟ですが、瑲玹にあからさまに嫌われても、微動だにしない。
そして、小夭のためなら相柳にも丸裸で会いに行くなんて勇敢過ぎ。
ただの優男のように見えて、実はめちゃくちゃ漢。
相柳にも言う事聞かせちゃうほど賢いのに、豊隆とは殴り合いを始めちゃうほどの率直さもあり。
ブロマンスも最高だったけれど、結局みんながお世話になっていて「璟なしで男主たちは存在していない」くらいに影のドン。
唯一女主に愛された稀有な男でもあるんですよね。
≪ 璟 のLOST≫
塗山一族としては、異母兄の塗山篌、防風意映を失ったともいえますが、やはり豊隆ではないでしょうか。
穏やかな璟が見せた小夭を巡っての豊隆との修羅場は、大好きな名場面のひとつ。
小夭を救う同志としての相柳は、好敵手がいなくなった感じなのかな。
元々執着心がないためか、小夭以外の死には淡白な印象…

俯瞰し過ぎて悲壮感漂う戦士
身を削るように小夭を救おうとする姿に、毛球も観れなくなるのか…も過ぎった、辰栄軍の軍師でもある相柳。
璟と相柳は、始終常に1位争いをしていました。
常に自他と戦い続けているような相柳。
好きな子をいじめるように小夭と接したり。
冷酷なようで、小夭のためなら瑲玹のもとに乗り込んでいったり。
璟の言うことも聞いちゃう可愛い一面もあったり。
璟とは異なるかたちで母性をくすぐってくる相柳。
冷徹だけど実は損得だけでは動かない。
防風邶としても、軍師としても、人情深い尽くし人。
やっと目覚めた愛を持て余している姿が、せつなくも愛おしかった…
届かぬ愛なら、軍師として全うする相柳もまた漢。
≪ 相柳 のLOST≫
一見、小夭を失ったように見えるけれど、「相柳自身を失った」のほうが正しいのかもしれない。
二役演じたジェンツーが美し過ぎて、失うのが本当に惜しかった。

短絡的キャラから忠臣へ
端から、ランク外にされることも多かった豊隆。
でも、実は豊隆なしでは「長相思」は語れない…
遅めの登場であるものの、登場後はずっと3位。
第1季終了後の3位は、瑲玹があまりにも不甲斐なかったから。
でも、最終的には強い忠誠心が3位に押し上げました。
まさかのあっけない殉職ですが、出番は少なめでも最期のインパクトは偉大。
瑲玹への忠誠心と、妹馨悦の罪に対する懺悔心でお役目全う。
おちゃめな笑いを誘ったムードメーカーも最期はまさに漢。
≪ 豊隆 のLOST≫
「豊隆が失った」より「豊隆を失った」人のほうが多いのでは…
唯一挙げるなら、妹のやらかしで忠臣として裏切る形になってしまった瑲玹でしょうか…
ホンイーもなかなかのエエ男なのに…
みんなの負をすべて背負ってしまったようで… 無念

女主と近しいだけで意外に聡明でない
まさかの始終最下位だったのが男主1の瑲玹。
どんな風に1位まで上り詰めていくのかと期待していたのに、最後まで驚くほどに順位が上がってこなかった…
むしろ最高のジャイアンキャラで、いい加減にして欲しいくらいに辟易。
「長相思」は愛憎劇といわれているけど、男主の中で激しい憎愛は瑲玹くらいだったのでは。
璟が立役者だったのを知らなかったとはいえ、あまりにも態度が横柄。
相柳のような情け深さも見られない。
自分のために豊隆が亡くなった後も、豊隆の思い何処へ、全く態度を改めようとしない。
これだけ周りにお世話になっての西炎王なのだから、もっと空気を読んで、小夭に猪突猛進ではあかんかったはず。
でもこの無慈悲が、西炎王になるための素質というならば、致し方ない。
漢どころか、始終ただただ憐れな男にしか見えなかった。
瑲玹には「愛する者を永遠に失う痛みや切なさ」を感じるべきだったのになぁ…
≪ 瑲玹 のLOST≫
最後に小夭が璟を選んだことで、やっとわかった瑲玹が男主1である理由。
まさに「小夭を永遠に失い、永遠に愛し続ける」
この条件にドンピシャなのは瑲玹だけ。
本人は失っているつもりはないだろうけれど、阿念と馨悦の傷つけ方もハンパない。
豊隆を失った時に気付いてよ、と突っ込みたくもなったけれど、そうはさせない脚本力も心憎い。
ワンイーの熱演があったからこそ、嫌悪感も大きかった。
女主と「Lost You Forever」

絶対に死はありえないであろう女主、実は皓翎国の王姫だった小夭。
小夭もまた聡明なようで、恋情に関しては璟しか見えていない…
瑲玹や相柳の思いに微塵も気付いてないけれど、繊細キャラだったらもっとややこしくなっていたはず…
鈍感ゆえに、男主たちのキャラが猛烈に輝いていたので良しとします。
≪ 小夭 のLOST≫
小夭にとっては、瑲玹は変わらず傍にいる哥哥なので、失った感はないはず…
あえて挙げるなら相柳でしょうか…
でも璟とハピエンゆえに、それほど悲しんでいるようにも見えない…
男主ばかりに目を奪われますが、ヤンズーの尊い涙あっての「長相思」です。

瑲玹には同情しても、正室馨悦のことを良くいう人は極めて少ないであろう…
でも、私から言わせたら似たもの夫婦。
忠臣豊隆を失っても考え改めず、璟へは殺意すら抱く夫。
自身の罪滅ぼしも兼ねた双子の兄豊隆の死も、瑲玹に対するさらなる憎しみにしか変えられない妻。
一番豊隆とも近しく、豊隆の最期から悟るべきふたりなのに、一番豊隆を裏切っているという、しょうもない夫婦。
むしろ瑲玹よりもタチが悪い闇深き憎愛。
≪ 馨悦 のLOST≫
瑲玹も豊隆も失い、本当に憐れ過ぎる馨悦。
双子なのに悲しいかな…全然思いが通い合っていない兄妹。
まだ続きがあるなら、すさんでしまった彼女の心を浄化する男主を頼みます。

≪ 阿念 のLOST≫
かつては馨悦と同じように、小夭を陥れようとさえしていた皓翎国の二王姫阿念。
瑲玹を手放してからの成長が著しく、最後は阿念の姿にかなり癒されました。
なかなか手放せなかった瑲玹。
失うことををプラスに変えられたのは、阿念くらいではなかろうか。
相柳の痛みを一番理解できたのは、LOSTを立派に乗り越えた阿念だけだったのでは…
さいごに…
瑲玹が期待通り急上昇してくれたら、まさにキャスト表順だった男主ランキング。
私のランキングは、少数派だと思われます…
作家さんも、こんなふうに瑲玹をディスる輩がいるのは心外でしょう…
でも、俳優さんたちの素晴らしいキャラ昇華があったからこそ、ここまで熱い思いを抱けたことは確か。
他の俳優さんだったら良かったのに…というキャラが一人もいない。
男主1にこれほど嫌悪感を抱く作品にも、もう出会えないでしょうね…
女主のロマンスより、男主たちの関係性を楽しめたのも、キャスティングや脚本の巧妙さゆえ。
弟子や子供たちをやさしく見守る皓翎国王、孫世代をやさしく諭す太尊の存在も欠かせません。
機会あったら、是非もう一度観返してみたい秀作です。
記憶違いあったらゴメンナサイ…
画像は公式サイト・SNSからお借りしています
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