『サイコだけど大丈夫』キスシーン感想
サイコだけど大丈夫(全16話)
사이코지만 괜찮아
It’s Okay to Not Be Okay
tvN 2020年
日本初放送:Netflix 2020年6月
IromegaR評価
ストーリー
キスシーン
ケミストリー
演出:パク・シヌ
脚本:チョ・ヨン
出演:キム・スヒョン、ソ・イェジ、オ・ジョンセ、パク・ギュヨン
待ちに待ったキム・スヒョン5年ぶり除隊後初主演作
心を閉ざして生きる保護士と愛を知らない童話作家のヒーリングロマンス
メイン4人の出演決定に期待が高まりましたが脚本、演出とも裏切らず
ここから先は超ネタバレのためご注意下さい
「サイコだけど大丈夫」感想
キャスト
キム・スヒョン(ガンテ役)
やっとドラマ復帰してくれたキム・スヒョン。
自閉症の兄を持つがゆえに、自分の意思を殺しながら生きてきたガンテ役。
重くなり過ぎる恐れもあるシリアスな役どころでしたが、閉ざしていた心が少しずつ解放されていくさまを、見事の演じきっていました。
無邪気な笑顔と得意の涙。
初回から上半身裸のファンサービスやTシャツの上からも感じ取れる肉体美。
相変わらず小さな顔と左利きの所作にみる大人の色気。
少年と青年の静かな揺らぎがとても心地よく、いつの間にこんな素敵な俳優さんになったのか、と思わせてくれる場面が多々ありました。
何気ないひと言台詞に込める感情の高ぶり、多彩な泣き顔、そしてこれまでにない男らしさに驚かされました。
20代のすべてがよい意味で凝縮され、セカンドステージのはじまりに素晴らしい作品。
復帰が遅れたのは新事務所設立も関係しているでしょうが、これだけ待たせても期待に応えられるなんて、30代がますます楽しみです。
ヒロインのソ・イェジも同事務所なので、事務所的にも良いスタートですね。
ソ・イェジ(ムニョン役)
魅力的な低音ボイスで、スタイル抜群のクール女子ソ・イェジ。
愛を知らない冷淡童話作家役はぴったりだと思ってはいましたが、予想以上のハマり役。
冷たさゆえに誰に対しても差別なく接する潔しさは、かっこよくもあり、羨ましくもありました。
静と動の変貌ぶりは、「星から来たあなた」のチョン・ジヒョン並みの豊かさ。
華麗な衣装で見せる演出も、まさにチョン・ソンイのようでしたが、キム・スヒョンにはこんなぶっ飛び女子を受け止められる、不思議な落ち着きがありますよね。
「星から来たからパスポートがない?」なんて台詞も楽しめました。
ガンテだけでなく、サンテやジュリとも抜群のケミでした。
オ・ジョンセ(サンテ役)
作品選びも上手で出演するというだけで、期待が高まるオ・ジョンセ。
シリアス、コミカルといつも違う顔を見せてくれますが、障害あるサンテ役ももう期待しかありませんでした。
実際、初回からあまりの違和感のなさにびっくり。
ガンテが寡黙な分、名台詞はほぼサンテが持っていく感がありましたが、オ・ジョンセの台詞回しだからこそ輝いた名場面が多々ありました。
ガンテ以上に本当の兄妹のようにムニョンとやり合いながら、少しずつ成長していく姿は、本当に微笑ましかったです。
ジェスをはじめ、どの共演者とのケミも素晴らしかった。
パク・ギュヨン(ジュリ役)
ソ・イェジよりも先に出演決定したので、「いよいよヒロイン役か」と早とちり。
癖のあるぶっ飛び女子役が多いので、はじめは意外におとなしいフツー女子が新鮮でしたが、実は酒乱のジュリということでキャスティングに納得。
表ではいい子でも、家では地団駄を踏んだり、お酒が入ると暴れたり、一番リアルで憎めないジュリ。
ムニョンとジュリ、大好きな2人の女優さんが髪を引っ張りあって喧嘩したりするシーンも、個人的にはとっても貴重でテンションが上がりました。
次はどんなキャラを披露してくれるか、いつも楽しみなカメレオン女優。
そろそろ主演も見てみたいですね。
ムンテ(ガンテ弟)
実在しないにも関わらず、ムニョンと家族になるために不可欠だった存在。
ちぎられたり散々でしたが…。
- カン・ギドゥン(ジェス)
ガンテを支える友人役の名シーンスティラー。ガンテに付きまといたくなる気持ちがわかります。
キム・スヒョンと実年齢も1歳しか違わないなんて本当に信じられない(笑) - キム・ジュホン(出版社代表)
「ボーイフレンド」に続いての出演。ソン・ヘギョ好きについて論争するシーンが印象的。 - キム・ミギョン(ジュリの母)
見ない日はないくらいの売れっ子オンマ女優ですね。今回も大きな母性で皆を包み込む素敵なオンマでした。 - キム・チャンワン(院長)
「星から来たあなた」同様、父のようにキム・スヒョンを支える役どころでしたね。 - チャン・ヨンナム(看護師長)
さすがに今回ほど凄みのある役ははじめてかも。どんな役にも化ける売れっ子女優さんですね。 - クァク・ドンヨン(患者)
「ボクスが帰ってきた」と同じ愛に飢える息子役でしたが、悪役もこなす存在感ある役者さんに成長中ですね。 - チョン・サンフン(モーテル主人)
ただいるだけでよからぬことが起きそうな雰囲気を醸し出すシーンスティラー。あの視線がたまらない。 - カン・ダニエル(ムニョンのファン)
チョ脚本家「ジャグラス」つながりでのカメオ出演。ちょっと劣化気味でびっくり。
演出×脚本
童話作家のムニョンの絵本をもとに進行していくストーリー。
劇中のオリジナル絵本も実際に5冊出版されています。
脚本は「ジャグラス」のチョ・ヨン。
「ジャグラス」は未視聴ですが、評価が高かったわけが何となくわかるような気がしました。
俳優たちのケミのよさとともに、絶妙なテンポで進むストーリー。
笑いを交えながら、「チョコレート」のように過去のつっかえが少しずつ取れ、人生が軽くなっていくさまが淡々と描かれていました。
執着、思い込み、嫉妬、洗脳など、母親から受けた傷が、子育て世代への戒めのメッセージのような序盤。
絶対的存在である母親のトラウマさえ、ご縁ある他人が癒やすことができる希望へと徐々に変わっていきました。
ガンテ兄弟の母の死の真相は、意外にあっさり解決したにも関わらず、深く心に残るのは、見返すほどによく計算されつくされた脚本だけでなく、演出とキャスティングのよさもあり。
「ただ愛する仲」のユ・ボラのような唸ってしまう台詞でもなく、予測可能な短い台詞でも思わず惹きつけられてしまうのは、俳優さんたちのうまさですよね。
サンテの台詞には、予期せぬ笑いと感動がありましたが、これもオ・ジョンセの演技力があってこそ。
まっすぐなサンテの台詞には、いつも気付きと戒めがありました。
演出は「嫉妬の化身」「ボーイフレンド」でも高評価だったパク・シヌ監督。
ムニョンのお屋敷のインテリアや窓ガラス越しの演出など、パク・シヌらしい細やかな演出が今回も多々見られました。
「嫉妬の化身」のように多くのOSTで盛り立てられ、素敵な作品であるほどに「ボーイフレンド」のもったいなさも改めて感じてしまいましたが。
キム・スヒョンの復帰にふさわしい素敵な作品でした。
「サイコだけど大丈夫」キスシーンまとめ
キム・スヒョン ソ・イェジ
(ガンテ×ムニョン)
9話キス
はじめての予期せぬ一泊旅にて。
少しずつ解放されていくガンテが、思わずしてしまう口づけ。
お花のリベンジと綺麗なムニョンを前に、幸せそうなガンテがとても印象的でした。
お花を手渡すしぐさもとってもセクシーです。
11話キス
無事だったムニョンに対して、いろんな感情が入り混じったガンテの情熱的なキス。
我慢が爆発したガンテがうまく表現されているシーンです。
汗を拭い、パーカを脱ぎ捨て、ムニョンを落ち着かせてから、グイグイ引き寄せる二の腕。
男らしさを感じさせるキス前のしぐさが、とっても心憎い演出。
「생일 축하해」「보고 싶었어」のトーンもすごくイイ。
階段上でのガンテの力強いハグも印象的な回でした。
12話キス
酔いつぶれたムニョンをベッドに寝かせてのおやすみキス。
優しい「잘자」とあえておでこキスでないところがいい。
13話キス
家族写真撮影後、指切りはんこの代わりに、ガンテのネクタイを引き寄せてキスするムニョン。
こんな強引なムニョンのシーンがもっとあってもよかったはずだと、まとめていて改めて気づきましたが、それだけ2人のロマンス以外も名シーンが多過ぎたってことですね。
ラフな格好が多かったので、ガンテのスーツ姿がとっても映えていました。
最終話キス
序盤はガンテの「사랑해」ではじまるムニョンの心を溶かすキス。
ムニョンのようにキバノロを罵り、完全に解放上手になったガンテ。
ムニョンを落ち着きあるガンテに近づけた11話のキスとは対照的に、心の声全開のムニョンにガンテが近づいたキス。
キスシーンで対照的な2人の歩み寄りを、うまく表現しているのもさすがですよね。
強気のムニョンが主導しているようで、実は始終ムニョンを手中に収めて離さなかったガンテ。
キスシーンはいつも揺れる瞳で見つめ合う2人と笑い、前後のガンテの台詞が印象的でしたが、ガンテからは逃れられないこと悟ったムニョンの表情が、特にたまらないシーンでした。
ラストは、ムニョンからの「사랑해」キス。
ガンテの解放の象徴であるようなキャンピングカー旅。
謝罪と感謝を述べられるようにまで変化したムニョン。
ガンテの解放と自立を成し遂げたサンテ。
ファーストキスとラストキスは、2人の可愛いキスで仕上げていました。
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