『ここに来て抱きしめて』キスシーン感想
ここに来て抱きしめて(全16話)
이리와 안아줘
Come Here and Give Me A Hug
MBC 2018年
日本初放送:KNTV 2018年9月
IromegaR評価
ストーリー
キスシーン
ケミストリー
演出:チェ・ジュンベ
脚本:イ・アラム
出演:チャン・ギヨン、チン・ギジュ、ホ・ジュノ
サイコパスの息子の淡い初恋によって引き起こされた惨事
加害者の息子と被害者の娘の愛と再生の物語
ここから先は超ネタバレのためご注意下さい
「ここに来て抱きしめて」感想
キャスト
チャン・ギヨン(ナム/ドジン役)
「カノジョは嘘を愛しすぎてる」では、それほど原石を感じていなかったので、主演の抜擢には驚いたのですが、数々の賞を受賞しただけあって、予想以上に素晴らしい演技でした。
義母やナグォンの前で見せるあどけなさから、サイコパスの片鱗を垣間見せる瞬間まで、たまらない表情演技の連続。
どことなくユン・ドゥジュンに似ていますが、主演のオーラや落ち着き度は彼以上。
チン・ギジュと同い年を演じても、全く違和感がなかったですね。
難しい役どころでしたが、ベテラン勢と肩を並べても全く見劣りしない、素晴らしい初主演でした。
チン・ギジュ(ナグォン/ジェイ役)
長身スタイルとは相反する、あどけなさとほんわか口調がたまらないチン・ギジュ。
守りたくなるようなジェイの雰囲気にぴったりのナイスキャスティング。
なごみ口調でドジンを翻弄する姿もとっても愛くるしい。
2人のシーンは純愛そのものでしたが、12年の歳月を感じさせるラストの果敢なジェイもすごく印象的。
チャン・ギヨンとのほんわかケミが、本当に微笑ましかったです。
ホン・ジュノ(ユン・ヒジェ役)
元々秘密めいた怖さを持つ俳優さんだけに、今回のサイコパスの父役は超ハマり役でした。
見事な演出も手伝って、最後まで怖さに振り回されました。
キム・ギュンナム(ヒョンム役)
ナムとは異母兄弟の設定だったのを、ずっと知らずに見終えてしまったキム・ギョンナム。
愛に飢えているゆえに愛情表現が下手で、長兄としても息苦しく生きなければならなったヒョンムを熱演。
「刑務所のルールブック」とは全く違う役どころに、ただただ見入ってしまいました。
ジェイの兄と和解するシーンは、とっても好きな名場面のひとつです。
ソ・ジョンヨン(オクヒ役)
血縁のないユン家の2人の息子を心から愛する育ての母を熱演。
最近は、キャリア女性の役が多かったので、人情味がある母親姿はとても新鮮で、「ただ愛する仲」のユン・ユソンを連想させました。
ドジンの義妹チェ・リ、ジェイの義兄ユン・ジョンフン、相変わらずの小悪ぶりのパク記者キム・ソヒョン、チーム長チョン・インギ、チョン・ユラ役のペ・ヘソンなどキャスティングのよさと、若手とベテランの演技対決も見どころでした。
ドジンの後輩刑事として、イ・ダインがかっこいい女性を演じていたのも印象的。
高校時代を演じたナム役ナム・ダルム、ナグォン役リュ・ハンビ、ヒョンム役キム・サンウ、ムウォン役チョン・ユアンの活躍なしでも語れないですね。
演出×脚本
ユン・ヒジェに振り回され、最後まで引き込まれる演出とストーリー。
サイコパスというと特別なテーマのように感じますが、誰もが持つ危うい感情部分が巨大化しただけのこと。
先天的に持つ気質も、出会いや環境で移ろえる希望と脆さ。
血のつながりの強さと危うさ。
紙一重な愛情で満たされることと飢えること。
愛情の裏返しである憎しみや嫉妬。
信じて待つことの大切さと難しさ、そして持ち合わせるべき強さ。
ナムとナグォン、ナムと父、ナムとギョンナム、ギョンナムとジョンフンだけでなく、ナム兄弟と義母、ナム兄弟と父、ナムとナグォンとジョンフンなどの三角関係でも、相反する関係性の中にある類似点と相違点をうまく使い、人間の弱さと強さ、正義と悪などを見事に表現した脚本。
家族愛だけでなく、事件の報道のあり方などの風刺もあり、ほんわかOSTで盛り上げる純愛と、効果音でスピーディーに展開されるサイコストリー、そして少しずつ明らかになる各々の過去。
ひとつの事件を表面上だけで判断することへの警告。
1人1人の過去の傷がバランスよく描かれ、「ただ愛する仲」脚本家ユ・ボラのように、登場人物に対する愛情も感じました。
そして、短い台詞と表情、佇まいで、ハマり役の俳優たちから最大限に発揮された表現力。
言えないからこそ、抱きしめ、握りしめることで伝わる思いとぬくもり。
ただ抱き合うだけでも伝わる思いやりと愛しさ。
たかがハグも演技力がなければわざとらしく見えてしまのですが、違和感なく引き込まれたのは、キャスティングのよさですよね。
題名通り、ぬくもりの大切さも諭してくれる秀作です。
「ここに来て抱きしめて」キスシーンまとめ
チャン・ギヨン チン・ギジュ
(ドジン×ジェイ)
11話キス
素直に自分の気持ちを伝えるドジンの告白に、キスで応えるジェイ。
世間体によって結ばれることを拒み続けてきた2人が、解放されたファーストキス。
眠るナグォンのおでこにキスするドジンも、ナグォンへの思いがぐっと伝わるシーンです。
12話キス
ナグァンの先輩俳優に嫉妬するドジンに嬉しいとキスするジェイ。
嬉しそうに頬が緩むドジンの表情がたまりませんが、キスしたい衝動に駆られながらも、ジェイに承諾を得るドジンがとてもせつなくも、微笑ましいシーンです。
最終話キス
平穏を取り戻したある朝のナグァンからのキス。
出勤前にナグァンの顔を見に行くナムが微笑ましい。
両親を思い涙するナグァンに慰めのおでこキスをするナム。
庭園で水浴びしてじゃれ合った後のキス。
そして、ラストの夕陽が輝く中でのさりげないデートでのキス。
普通に愛し合えることのの幸せを、改めて考えさせられウェルメイドドラマでした。
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