『ホテルデルーナ』キスシーン感想
ホテルデルーナ(全16話)
호텔델루나
Hotel Del Luna
tvN 2019年
日本初放送:Mnet 2019年12月
IromegaR評価
ストーリー
キスシーン
ケミストリー
演出:オ・チュンファン
脚本:ホン・ジョンウン、ホン・ミラン
出演:IU、ヨ・ジング
成仏できない幽霊をおもてなしするホテルの女社長とエリート総支配人のファンタジーロマンス
ここから先は超ネタバレのためご注意下さい
「ホテルデルーナ」感想
キャスト
IU(マンウォル役)
どうしてもスジと比べてしまうIU。
イマイチだった「プロデューサー」以来、スジより勝っていることを証明してくれる作品に出会いたいと切に願っていましたが、今作で確信しました。
少女のような可愛さから、妖艶な悪魔のような怖さまで秘めるマンウォル。
いつもアンニュイなのに、チャンソンを守る時に発揮されるすさまじいエネルギー。
クールなようで感情の趣くままに七変化する姿は、滑稽でありながらも可愛らしく、チャンソンに対する微妙な心の揺れまで、見事に表現していました。
高音域の歌声とは相反した低音ボイスも、小さな体から満月のごとく静かに増していく、主演としてのオーラも心地よかった。
キレイ可愛さを秘めるIUならではのマンウォルでした。
ヨ・ジング(チャンソン役)
実力派子役なのに、作品選びがイマイチだったヨ・ジング。
低音ボイスと子役時代から培った貫禄で、見事に年上のIUを包み込んでいましたね。
冷静沈着で非の打ち所がない、策士ぶりがハンパないチャンソン。
すべてを俯瞰して、マンウォルの心を揺さぶるのもお上手。
マンウォルの過去の不信感を、とにかく信じることで解き放っていくさまが、とてもよかったです。
上司と部下の立場が逆転したり、対等になったり、月霊樹前でのやり取りなど、2人のケミがとにかく絶妙でした。
イ・ドヒョン(チャンミョン役)
チャンソンの夢の中に現われる、マンウォルが恋した護衛隊長役。
「30だけど17です」で、アン・ヒョソプとつるんでいた3人組のうちの1人ですよね。
一悶着なしにあっさり成仏してしまったのは意外でしたが、よく考えるとマンウォルの一方的な憎しみだけで、誰1人として過去世にこだわっている悪者はいませんでしたね。
最後までマンウォルを愛する姿は美し過ぎましたが、転生もせずに一番せつない役どころでした。
パク・ユナ(ミラ役)
チャンソンの元カノでありながら、マンウォルとは因縁の仲。
「SKYキャッスル」のぶっ飛んだ女子大生役とは雰囲気が違いましたが、悪態をつきながらも彼氏第一なのが可愛かったです。
悪女ぶりがコ・ソンヒのようで、清楚な役も見てみたいですね。
イ・テソン(ヨヌ役)
「刑務所のルールブック」で、パク・ヘスの少年時代を演じていた時から、何となくシン・ジェハっぽくて、気になっていた俳優さん。
それほど出演は多くないのに、過去世と今世のどちらも印象深く残りました。
ソ・イスク(麻姑神役)
憎たらしいほどの悪女が似合うソ・イスクですが、冷血さだけでなくキュートさも見られて、とっても新鮮でした。
実は麻姑神は12人もいるという設定に驚かされましたが、絶妙なタイミングでよい仕事をしてくれるキーパーソンとして、物語になくてはならない存在でした。
実は仕事があまりできない?カン・ホンソクの死神や、そういえばちょっと幽霊っぽい客室長のペ・ヘソン、バーテンダーのシン・ジョングンとIUのケミも絶妙でした。
同じように別れが決まっていながら、マンウォル×チャンソンとは対照的な、P.O(Block.B)×ミナ(gugudan)カップルもとっても可愛かったし、全体的にナイスキャスティングでした。
演出×脚本
ホン姉妹×IU×ヨ・ジングに、テンションが上がる人もいたでしょうが、話題性のわりにイマイチのホン姉妹だけに半信半疑でした。
序盤は「やっぱりこんなもんか」と残念感が隠しきれなかったですが、4話以降グングン引き込まれていきました。
ネイルからドレスまで、毎回目を惹くマンウォルの衣装。
白でもピンクでもない、神秘的な月霊樹の花の色や、闇夜に浮かぶホテルデルーナ、月が拝めるベランダ、サンチェスの韓国家屋など、美術の美しさにも魅入られました。
1話からオ・ジホやキム・ウォネ、イ・ジュンギ、イ・イギョン、ピョ・イェジン、ソ・ウンスなど、ベテランから若手まで豪華すぎるカメオ出演。
子役出身のヨ・ジングとナム・ダルムの共演も感慨深いものがありました。
「ドリーム・ハイ」「プロデューサー」でIU、「太陽を抱く月」でヨ・ジング、「星から来たあなた」でオ・チュンファン監督とゆかりが深い、キム・スヒョンの最終話カメオ出演も話題を呼びました。
「女版トッケビ」なんてもいわれていましたが、個人的には月や星がテーマの「太陽を抱く月」「星から来たあなた」を連想する場面のほうが多かったです。
オ・チュンファン監督は「あなたが眠っている間に」の桜の演出も印象的で素敵でしたが、今回の月霊樹はそれ以上。
マンウォルの心を映し出す月霊樹だけでなく、星の燦めきを見上げながら幽都橋を笑顔で渡っていくラストシーンなど、2人の強い結びつきを情緒的に描く演出には、舌を巻くものがありました。
1つ1つの場面は、とても丁寧に描かれているのに、全くマンネリ感がなく、テンポ良く進んでいくスト-リー。
余分なストーリーが全くなく、2度見るとさらに見逃していた計算し尽くされた設定に驚かされます。
ホン姉妹は「キャスティングミスなのでは?」と思う作品も多かったですが、キャストと演出がビンゴであれば、これほどまでに輝く脚本なのだなと改めて実感しました。
出演者が「すべてが名場面だった」というのも納得するほどに、素敵なシーンが多いのですが、IUが挙げたチャンソンが1人バス停で泣き崩れるシーンや、実はNGカットシーンだったという、11話の2人でじゃれ合いながらトッククを食べるアドリブシーンも印象的。
「愛の不時着」の盛り上がりで、埋もれてしまいそうな危惧感もありますが、個人的には「愛の不時着」よりもすべてで癒やされ、ホン姉妹の作品の中で一番の傑作となりました。
「ホテルデルーナ」キスシーンまとめ
ヨ・ジング IU
(チャンソン×マンウォル)
4話キス
13号室の幽霊からチャンソンを守るための、マンウォルのとっさのキス。
2人のロマンスを予感させ、少しずつ物語も面白くなっていくきっかけとなったシーンでもあります。
12話キス
月霊樹の前で、素直に思いを口にするマンウォルと、優しく包み込むチャンソンの最初で最後のキス。
せつなくも美しく散り始めた花びらが、2人の思いを一層引き立てていました。
流れていたOSTはIUがこのシーンのためだけに書き上げた「Happy Ending」。
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