『ヴィンチェンツォ』から『悪魔判事』までダークヒーローたちが眩し過ぎた2021年
グレードを上げながら、毎年量産される韓国ウェルメイドドラマ。
2021年は、ソン・ジュンギ主演「ヴィンチェンツォ」、イ・ジェフン主演「模範タクシー」、チソン主演「悪魔判事」の三部作で、見事に洗練されたダークヒーローたちが誕生。
主演の御三方を輝かせる脚本や演出も実に見事で、迷わずおかわりしたくなる秀作ばかりです。
ヴィンチェンツォ
「優しい男」マルをグレードアップしたような、ちょい悪感あふれるヴィンチェンツォ。
余裕さえ感じる表情豊かなソン・ジュンギは、私生活のつらい経験あっての副産物。
すべてのキャストに愛情を注ぐゆえにもたつく序盤ではありましたが、これまでにないテギョンとキム・ヨジンの崩壊ぶりや、チョン・ヨビンのクールビューティで魅せながらも、徹底したブラックユーモアで落とし込む型破りな演出に、見事に飲み込まれます。
クァク・ドヨンも含め善悪関係なく、猛々しくも色めき立つイケメンたち。
キム・ヒウォン監督の女性目線ならではのハードボイルドは、不条理な世界も美しい。
模範タクシー
スタントなしでカーアクションに挑むイ・ジェフンが、闇タクで復讐代行。
ガールクラッシュなイ・ソム、実年齢以上の気迫チャ・ジヨン、ナウンの代役となったピョ・イェジンら、華を添える演技派の女性陣も見逃せない。
ハイスピードで繰り広げられる、機転の利いたチームワークによる容赦のない制裁は、残虐ながらも不思議と暴力描写が苦手な者でさえ虜にする爽快バイオレンス。
社会的弱者の依頼を元に、ゲームのごとくはじまる数々の復讐は、本当に代行なのか。
唯一シーズン2制作が決まっていますが、まだまだ謎めいたドギらに期待が高まります。
悪魔判事
「ニューハート」以来の医師役、「医師ヨハン」に続き、判事ヨハンを演じたチソン。
崇高なチソンと妖艶なキム・ミンジョン、初々しくも大人びたジニョン(GOT7)とパク・ギュヨン、二組の再共演カップルのケミも見どころ。
謎めいたヨハンが繰り広げるライブ法廷ショーは、果たして真の正義なのか。
無残に企てられる計画には、始終翻弄されっぱなしだけれど、どこか品のある美しさ。
全20話で、もっとゆっくり描きたかったようですが、詰め込みのわりにペースも乱れることなく、最後までまさかのストーリー展開に目が離せません。
特にラストのチソンとジニョン(GOT7)は圧巻。
まとめ
正義のヒーローなのか、はたまた弁護士、タクシー運転手、判事の仮面を被った悪魔なのか。
法では裁けない悪に対する三人三様の制裁で、惹きつけて止まない3人のダークヒーローたち。
ロマンス指数は低いのに、独特のセクシーさで放たれるエモーション。
- ソン・ジュンギ「財閥家の末息子」
- イ・ジェフン「模範タクシー2」?
- チソン「アダマス」
次回作も楽しみな御三方です。