『WWW』とは一転の青春ロマンス-『二十五、二十一』ストーリー感想

「二十五、二十一」ストーリー感想

ストーリー評価 

ネタバレにご注意

「君は私の春」は、期待に反して見事にコケてしまったチョン・ジヒョン監督ですが、残念さに浸ることがなかったのは、ビッグネーム主演によるクォン・ドウン脚本家との再タッグが既に決まっていたから。

「WWW」コンビが、キム・テリナム・ジュヒョクを迎えるということで、年下男子第2弾と思いきや、「密会」「風の便りに聞きましたけど」のアン・パンソク×チョン・ソンジュコンビのように、よい意味で裏切ってくれました。

何故いま1998年なのかと疑問だったけれど、時代に翻弄される若者のありさまが、コロナ禍の現代に通じるものがあるとのことで納得。

時代演出に細かな配慮が必要だったようで、「応答シリーズ」のシン・ウォンホ監督も同じように苦労していたのかと思うと頭が下がりますが、おかげでダウトなく、自然に俳優たちの演技にだけのめり込むことができました。

ひとりひとりの持つオーラが素晴らしく、チョン・ジヒョン演出であることを忘れてしまうくらいでしたが、ふとした瞬間に垣間見る美しい情景や絶妙なカメラアングルは健在。
先が見え始めた最終回で、やっと落ち着いて演出を振り返る余裕ができたほどに、躍動感ある試合シーンも、夜な夜な徘徊シーンも、静と動の移ろいが実に自然。
「ミスターサンシャイン」とは違った飾り気ないキム・テヒも、とにかく美しいく、相変わらずチョン・ジヒョンがおさめる涙は美しい。

今回も俳優たちによってより輝き放っていたクォン・ドウンの台詞たち。
特にヒドが繰り出す愛の言葉は絶品ですが、長台詞ではなくとも胸に響くのは、台詞なしでも全身で語れる俳優たちの力量あってこそ。

ヒドとユリムのネット使いには「WWW」、フェンシングで気持ちを確かめるジウンのプロポーズに、初期のヒドとイジンが重なる上手さ。
5人5様のそれなりに重い家庭事情を抱えていながら、たくましく乗り越える若さが羨ましい。

制約がありながらも、後先考えない言動が許され、刹那的だけれど最高に輝ける瞬間。
この瞬間を精一杯生きられたからこそ、後悔のない人生を切り開いていけた5人の若人たち。
画面越しに娘を見守るヒドの母、娘も同じように経験して欲しいと知らぬふりをするヒド自身に、トラウマや失敗を恐れこの瞬間を見守れない大人たちへの警告を感じながらも、ラストのエピローグまで胸を熱くする心憎い演出。

三十前後の主演俳優が演じる青春に、違和感なく魅せられる不思議。
精神年齢では圧倒的な年下男子ぶりで魅せつける才ぶり。

せつな過ぎる別れと涙の演出が素敵なチョン・ジヒョン×クォン・ドウンですが、名コンビの第3弾もぜひお願いしたいですね。

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Posted by fan